京都府における出前授業の実施状況と今後について
京都府商工労働観光部 労政・人材育成課
出前授業の必要性
厳しい経済情勢のもと、新規高卒者の就職内定率は、近年回復傾向にありますが、高校生、大学生等の就職環境は依然厳しい状況が続いています。このような状況の下、京都府では、京都ジョブパークを中心に就業支援に力を入れていますが、同時に就職企業の選択能力の向上や職場定着の促進、労働環境の改善を図るための若者を中心とした求職者や企業を対象とした「労働教育」が重要かつ必要となっています。
そうした中、今後社会に巣立っていく若い人たちが労働関係制度や社会保障に関する基礎的な知識を習得することで、労働者としての権利・義務や社会保障制度の活用の仕方などを身につけるとともに、労働トラブルが発生した場合の支援・相談方法など、問題解決能力を見いだす力を養うことは、これから働く若者が社会に出て行く上で必要不可欠な準備であると考え、京都府では、あったかサポートをはじめとした関係機関・団体と連携して、取組を行っております。
平成24年度の出前授業の実施状況
平成24年度に実施されたあったかサポートの出前授業は、高校生については、府立高校を中心に14回行われ、延べ694人の生徒が 受講されました。また大学生については、府内の大学を中心に19回行われ、826人の参加がありました。
毎年度出前講座を実施する高校、大学も数多くでてきているなど、あったかサポートでは、年を追うごとに府内を中心とした高校・大学等とのネットワークの充実・強化に努められています。京都府としても、さらに関係団体や教育委員会との連携を強化拡充し、出前講座の拡大を行っていきたいと考えております。
今後の出前授業に期待すること
本年の出前授業において、府内鳥羽高校定時制では、実際のアルバイトの事例を題材にし、「労働契約とは何か」など、求人票や労働条件通知書、給与明細書の役割について、寸劇を交えて学生に親しみやすく、授業が実施されています。
また、同志社大学では、新聞紙面で紹介されたアルバイト、就職してからの労働環境の事例を題材に学生自身が主体的に考えるグループディスカッションを行う時間を取り入れて講義を行うなど、授業の中に新たな工夫を取り入れ、年々授業内容を充実されています。今後もあったかサポートにしかできない「出前授業」を実施されることを期待しています。
京都府としても、あったかサポートをはじめ関係機関・団体の皆様と連携し、出前授業を中心とした「労働教育」の充実に邁進してまいりたいと考えております。